どうも。現役ネットワークエンジニアのアルパパです。
今回は、サーバ機器やネットワーク機器などのポート設定について
「オートネゴシエーション」
「固定設定」
のどちらにする方が良いのかを検討していきます。
目次
ポート設定はオートネゴシエーションか固定設定どちらがいいのか
オートネゴシエーションと固定設定の特徴について
そもそものオートネゴシエーションと固定設定の概要についてです。
※なお固定設定の内容としては、スピードとデュプレックス(全二重か半二重か)を設定しますが、今日のネットワーク設定においてデュプレックスを全二重以外に指定することがないため、以下の説明では割愛します。
オートネゴシエーション
対向機器との接続において、お互いが対応する最大スピードで接続する方式。
1Gbpsと1Gbpsの機器をオートネゴシエーション設定にして接続すれば1Gpbsで接続するし、100Mbpsと1Gbpsの組み合わせであれば、100Mbps(双方の機器で対応する最大のスピード)となります。
固定設定
対向機器との接続において、あらかじめ設定したスピードで接続する方式。
通信キャリアが提供するONUなどの回線終端装置との接続では、使用するネットワーク回線のスピードに合わせて固定設定をすることが多いです。(通信キャリア側より指定される)
オートネゴシエーションのメリット・デメリット
メリット
1.対向機器の設定を気にせず最大スピードで接続出来る。
とりあえずオートネゴにしておけば最大で接続可能というのは非常に「楽」です。
2.ケーブル種別(ストレート・クロス)を気にする必要がない。
オートネゴシエーションであればケーブルの種別を意識せずとも接続が可能となる「AutoMDI/MDIX」が利用可能な機器が多いため、ケーブル種別を意識しなくて良くなります。(ストレートでもクロスでも接続可能)
デメリット
1.機器の相性などで最大スピードで上手く動作しないことがある。
最大スピードで接続をしていると思っていたら、何故か低速で接続していたということがたまに発生します。
実際にあった例としては、元々サーバとL2スイッチをオートネゴシエーションで設定していて、1Gbpsで接続が出来ていましたが、サーバを再起動したあとに何故か100Mbpsになってしまうという事象です。(対象ポートの上げ下げで復旧)
この事象はサーバ側の物理ポートのバグだったと記憶していますが、こういったことが起こりうるため、確実に指定したスピードで接続したい場合は固定設定がベストでしょう。
固定設定のメリット・デメリット
メリット
1.設計と違う速度で動作することがない。
オートネゴシエーションのデメリットの箇所でも記載しましたが、確実にそのスピードで動作するため、他の速度になってしまうということが無いことがメリットでしょう。
デメリット
1.対向の機器と設定を合わせなければ通信が出来ない。
設定を対向機器と合わせなければいけないため、その分、考慮する項目が増えるということは1つのデメリットだと考えます。
2.ケーブル種別(ストレート・クロス)を意識する必要がある
固定設定ではAutoMDI/MDIXも機能として動作しなくなる機器が多いです(※)
なのでポートの規格であるMDIやMDIXを意識して、それに合わせたケーブル種別を選択する必要があります。
たとえばスイッチ同士の接続はMDIX~MDIXとなりますが、この場合はクロスケーブルである必要があります。固定設定にする場合はこのことを意識してケーブルを手配する必要が出てきます。
※ 今までに固定設定が可能な機器で固定設定中にAutoMDI/MDIXのみ有効に出来る機器は見たことがありません。しかし仕様として確実なソースがないためこのような記載にさせていただきました。
ストレートとクロスの違いやMDI/MDIXのことは他者様のページになりますが、以下に詳しくまとめられておりますので紹介します。
Ethernet LAN – ストレートケーブルとクロスケーブル
まとめ
それぞれのメリットとデメリットを記載しましたが、それぞれの良さがありますよね。
アルパパの考え方としては、
基本的には設計、検討項目が少なくなるオートネゴシエーションとする。(仮に低速で接続をしてしまっても大きな問題にならない場合)
ただ低速になってしまうことが致命的な箇所(業務通信用のサーバ搭載ポートなど)においては確実にその速度で接続をさせたいので固定設定を選択する。
という感じでしょうか。
正直、とりあえずオートネゴにしている企業様のネットワークが多く、あまり気にしていないポイントなのかもしれません。(仮に低速でもポート上げ下げや再起動等して直せば良いという考え)
とはいえ、この考え方を知っている、知らないのでは大違いなので、ぜひ覚えていただけたら嬉しいです。
ではでは!