【自伝】インフラエンジニアが転職を決意するまで|14.設計と検証の日々

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設計と検証の日々

O主任の下で仕事は始まった。

まずO主任から渡されたのは作りかけの基本設計書だ。

O主任「とりあえずこれを読んで」

先日O主任がプロジェクトの概要を話してくれたが、この基本設計書のおかげでさらに細かい内容も知ることが出来た。

一通り読んでいると未完成の箇所があったので詳しく聞いてみる。

するとそこは今回の案件の1つのポイントである各工場のネットワーク機器の構成の一部変更に関するセクションだった。

O主任「ここはSTP※を使った構成にして、耐障害性を高める方針にする予定なんだよ」

※STP(スぺニングツリープロトコル)とは主に拠点内ネットワークで経路の冗長やループ防止に利用される仕組み。

続けてO主任がノートに絵を描き始めた。

[L3SW※]とか[L2SW※]とか書かれた箱が線で結ばれる。

※L3SW・・・L3スイッチ
※L2SW・・・L2スイッチ

O主任「こんな感じで実装出来るとは思っているんだけど、ちょっと検証してくれる?確認が取れたら基本設計書に書こうかなと思っててさ」

アルパパ「・・・やってみます」

STPを使った構成を組んだことがないので不安ではあった。

しかしインターネットを検索してみると、STPに関する情報が十分に載っていた。

そのおかげで苦労せずに検証を終える事が出来た。

結果をO主任に見せる。

アルパパ「・・ここのケーブルを抜いても、数十秒後にはこのようにPingが再び通るようになります」

O主任「うん。問題ないね。想定通りの動きだ。まあ分かり切ってるけど(笑)」

O主任「では、確認が取れたから基本設計書に書いてみて」

アルパパ「設計書って書いたことないんですけど、大丈夫ですかね?」

O主任「とりあえずこの構成を設計書のこのページに絵にして書いてくれれば良いよー」

構成図は自社内にいる時に何回か書いたことがあるので問題なく出来た。

O主任に見せる。

O主任「そうそう。そんな感じで大丈夫だよ。構成図書いたことあるから簡単だったでしょ?」

アルパパ「そうですね。思ってたのより簡単でした」

この後は詳細設計へと進みCisco社製のネットワーク機器(Catalystなど)の設定を全般的に担当することになった。

前述のSTPのように検証は何回も何回もやった。納得いくまで。

正確にはやらせてもらった。

内容的にはネットワークの登竜門的資格と言われている「CCNA」に出てくるような技術を使ったものが大半ではあった。

ありきたりと言えばありきたりな技術や構成なので、本来は検証などほぼしないだろう。

しかしO主任は私が初心者であるということも考慮し、基本的な実装でさえも検証をさせてくれたのであった。

検証で分からないことはインターネットで情報を探し、それでも分からないことはO主任に聞いていた。

この検証によって短期間で良い経験ができたのは言うまでもない。

そして何より楽しかったのである。

社内に居る時よりも難しい内容ではあったが、だからこそ達成出来たときの喜びは大きかった。

毎日会社に行くのが楽しかった。

社内にいる時に感じていた居心地の悪さはO主任の下に来てから全く感じなくなっていた。

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