U主任の失脚
U主任が帰ったあと、D係長はチームメンバーを自席に呼び寄せ、U主任の反省文をバカにし始めたのだ。
D係長「なんだこの幼稚な文章はww長ければ良いってものじゃないんだよww社会人1年目の文章だこりゃw」
チームメンバーも一緒になってバカにしていた。
そう。アルパパも。
今思えば、そうやって一緒にバカにすることで自分はD係長側にいる。自分が標的にされることはないと無意識に思いたかったのかもしれない。
今思えばこの文章を晒し物にするD係長も、一緒になってバカにするチームメンバー(自分も含めて)も腐っていると思う。
(よっぽどだったのか。D係長は自分の奥さんにもその文章を見せたらしい。)
反省文の件があった翌日。
普通に会社に来たU主任。
D係長に対してなにかアクションがあるのかと見ていたが、何もない。
夕方、痺れを切らしたD係長がU主任を会議室に呼びつける。
会議室から聞こえる怒号。会話というよりは一方的にD係長が怒っているだけだ。
声とその内容が気になって、その日は全く仕事が出来なかった。
アルパパは23時ごろ会社を出たが、その時間になっても二人は出てこなかった。
後日聞いた話だが、その日は終電が無くなるまで説教をしていたらしい。
二人とも会社に泊まったようだ。
U主任の進退はどうなったかというと、心機一転頑張るという結論になったらしい。
めでたし。めでたし。
なのか?
U主任は挽回出来たかというと・・・
結果的には仕事をさせてもらえなくなってしまったのだ。
この後、更なるミスを犯しエンドユーザーに迷惑をかけたためだ。
エンドユーザーや担当部署との折衝だったりネットワーク設計を担当していたが、最終的には事務担当になってしまった。
毎日定時には帰っている。
D係長との関係は冷めきっている。
ただ本人は前よりもイキイキとしている。
D係長から怒られることが無くなったためだ。
U主任としてはこの道が正解だったのかもしれない。
ただアルパパとしてはこの状況は好ましくない。
何故ならばU主任が抜けたSEとしての穴を埋めなければいけないからである。
しかしこの時、自分なら出来ると思っていた。
A社出向の時も難なくこなせた。乗り越えられる。
この根拠の無い自信が誤っていたと後に知ることになる。
容易に想像は付くと思うが、U主任の失脚からアルパパの稼働時間は増大するのであった。
THEブラック企業のTHE社畜が間もなく誕生する。
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